Tessier=Ashpool

全然わからない 雰囲気で人生をやっている

発達障害の診断を受けてきた話 前編

 

 気づいたら生きるのがつらくなっていた人間向けの記事を書く。

 

社会の底にひしめく人間たちへ

 息をするだけで精神が削れていく。

 

 ここでYESと答えた人間だけ読み進めてほしい。

 

 さて、残ったのは発達障害者か発達障害疑惑を持っている人間かと思う。あるいはうつか適応障害か。私はメンタルケアに携わる人間ではないので断定も何もできないが、本稿ではとにかく社会に疲れている人間が、その状態異常の根本に至ることのできる最短経路を示したい。

 

 最短経路のみを知りたい人間は『SR以上の医者の条件④』と『検査について』だけを読むといい。

 

 

気軽に心療内科、精神科に行こう

 医者ガチャを引け。メンタル系であればなおさらだ。

 

 これを読んでいるような人間は、つらさと絶望の澱に埋もれながら、ソシャゲで万札を溶かしたりしているんだろう?ピックアップガチャの目玉よりもSR以上の医者の排出率は高いぞ。恐らくだが。だからさっさと引け。出るまで引け。

 医者に行く気力がなくなる前に。

 

 精神科は他の科に比べ、受診のハードルが高い科の上位に入るだろう。心療内科であればややハードルが下がるかもしれない。しかし少なくとも、花粉症で耳鼻科にかかる、くらいの気軽さはない。初見患者は診療室で何をされるのかよくわからないだろうし、精神に関わる薬はあまり飲みたくないだろう。費用も高いかもしれないし。

 

 何より、メンタルの不調は花粉症よりも症状が曖昧だ。そして一番タチが悪いのは、メンタルは自分の気の持ちようでなんとかなりそうという点にある。

 

 だからこそ医者に行け。できれば定期的に通え。

 

 一人暮らしの人間はもとより、ずっと一緒に暮らしている家族がいたとしても、症状が慢性的に進行していけば気づくことは難しいだろう。気の持ちようでなんとかなる範囲がどこかというのも、プロの第三者と相談することで見えてくることもある(そもそも気力の限界が試されるような環境にいてはいけないが、人生そううまくいくことはない)。

 

 また、初見者にはハードルが高いからこそ、体力気力共にまだ充実している段階で経験しておくべきである。

 

 

SR以上の医者の条件

 医者ガチャは当たりを引いたとしても、特別なエフェクトが出てくるわけではない。それに、本当に当たりかどうかの見極めに時間や費用がかかるかもしれない。

 

 そこで、個人的に当たりでは?と思えた条件4つについて説明する。医者単体ではなく受付窓口や心理士まとめての評価になってしまった気がするが、そこは緩く見てほしい。

 

①ちゃんと会話をしてくれる

 しょっぱなから定量的な話で申し訳ない。が、レアリティの低い医者は、詰問か?という態度でこちらに接してくる。また、パソコンの方だけ向いてこちらの顔を見るのは一瞬、というような医者もいた。しかも開いているのはwikipedia。いいかげんにしてくれ。

 

 この人になら話してもいいかな?と思えるような、人としてまともな医者を探してほしい。

 

②治療について説明してくれる

 投薬療法であれ認知行動療法であれ、最初のうちは慣れない上に不安である。これでは効きも悪い。ということで、治療の意味や薬の効果について教えてくれる医者が良い。二言目に「ま、コンサータパキシル、出しときますから」というノリの医者はなんだかなあ、と個人的に思う。傾向と対策で精神を治そうとするな。

 

③初診者(初心者)でも利用できる制度を教えてくれる

 Twitterでもよく回ってくる、こういう補助制度があるけど全く知られていないので知っていて申し込んだ者勝ち、という制度はメンタル関係あるあるである。特に精神の調子を崩した社会人を補助する制度は多い印象がある。労災申請なんかのやり方を教えてもらっている人を、病院窓口で見かけた。

 

 ニートはどうなんだというと、『精神的な問題で就業できない』と医者が判断すれば、通院費の補助の他に、本人の意思さえあれば社会復帰プログラムに参加できたりする。

 

 何事もとりあえず相談するのが吉、である。

 

④検査を実施した上で、プリントアウトした結果をくれる

 これが一番重要であり、本稿を書く動機となった条件である。

 

 なんと、高い費用を払ったにも関わらず検査結果を渡してくれないどころか、詳しく説明すらしてくれないところがある。これは高名な病院だと安心とかいう話ではない。私は18歳くらいのときに一度阪大病院精神科で知能検査をしたが、説明がほとんどなかった。あなた、アスペルガーの傾向がありますね。それくらいである。

 

 これには一応根拠があり、被験者が数値や病名にとらわれすぎるのを防ぐという向きがあるらしい。なるほどね。しかしそれでも結果が欲しいところだ。自分の特性を細かく正しく理解しておくことは、後に述べるように大変有用だからである。

 

 ということで、病院なりクリニックなりにアタリをつけたら、まずは電話で「自分が発達障害か悩んでいるので知能検査を含めた検査をしてほしい、また、プリントアウトした結果をくれるか?」といったことを聞くとよいだろう。

 

 

検査について

 私は3月に4つの検査を受けた。

 ①知能検査(WAIS-Ⅲ)

 ②AQ:自閉症スペクトラム指数(日本語版)

 ③コナーズ成人期AD/HD評価尺度スクリーニングバージョン

 ④厚労省一般職業適性検査

 である。細かく言うと、加えて幼少時生育歴(要保護者への聞き取り。書き込む紙をくれるが、親に通院がバレたくなければ予め医者にそのことを話しておき、自分で覚えている範囲で書くのも私の場合はOKだった)が必要だった。

 

 このうち、①と④は検査に時間と手間がかかる。詳しくは検査結果に影響するので言えないが、実技が必要なのである。②③は比較的楽というか、マークシート式のアンケートのようなもので、量も少なかった。というわけで、①④を受験する前日はできるだけ普通のコンディションで臨むべきだろう(徹夜や過度の飲酒などは避けるべき、程度の意味合いである)。

 

 詳しくは後編で述べるが、①は必須である。②と③はできるだけどちらかだけではなく、セットで受けた方がいい。私はADHDを自覚していなかったが、主治医に言われるまま申し込んだら結構強めの傾向が出て新たな気づきを得ることができた。④に関してのみ、不必要、予算がきついと感じた場合は受けなくてもいいのでは?と思う。私は次年度に就活を控えているために、心理テストくらいの気軽さで受けたが(これも大変良い知見を得た)。

 

いったんまとめ

 ここまでが病院選びと受けた方がよいであろうテストの紹介である。

 

 後編では、これからテストを受ける読者の結果に及ばない程度にテスト結果について解説したい。